aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

生きていたら……というわけでもない夢


 死がありきというのはそうそう見ない気がする。 *本当に楽しかった  父の夢をみた。生きている頃ではなく、父が生き返って色々なところに遊びに行く夢。最初は夢のなかの私も戸惑ったけど楽しかったー。本当に父と遊び歩いているような錯覚すら覚えた。父は生前私に「もっとサチをいろんなところに連れて行きたいよ」と言っていたけどまさかこんなエコノミーに達成するとは。交通費0円です。  でも実際夢で、雲みたいに記憶がふわふわしていて思い出そうとすればするほど忘れて行く。とても悲しいのでせめてブログに書いて「こんな夢をみた」という事実を残しておく。  夢のなかで父は活き活きとしていた。例えばソファーに座ってよくやっていた雑巾の縫い物をしながら他愛もない話を母としたりして。  でも夢のなかで「お父さん、あの時(亡くなるとき)に私が言ったこと、どう思った?」と聞こうとして、目が覚めた。父が答えたくなかったのか、私が答えを聞きたくなかったのかわからないけど、なんでそんなことを聞こうとしたんだろう。  夢のことは答えが出ないけれど昨日、父が最後に利用した入院先近くの薬局の会員カードが出てきた。父の字で名前が書いてある。昔字が綺麗と言われていて癖字の母がよく代筆を頼んだものだけど亡くなる少し前に「なんか俺、年寄りみたいな字になってきてすごく嫌だ」と言っていたヨタヨタした書き方の名前。母はそれを二つ折りにして捨てていたけど、私はそれを見るとどうしても胸が痛んでゴミ入れからそっと取り出してしまった。父が書いた文字を、もう書く人がいない文字が書かれた紙を捨てる勇気が私にはまだ持てない。  それがとてもつらかったから、父が夢に出てきてくれたのかなー。  朝起きて、二年ぶりくらいに一階のソファーで父が寝ている気配を感じた。「布団だと背中が痛い」といってソファーで寝起きしていたんだよね。父も同じ夢を見ていたのかな。 ※マイクラの記録記事は午後に更新します。