aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

やることたくさん


 自分でも亡くなるつもりがなかった父なので家族への宿題を数多く残して行きました。というか多すぎ。 *家事は無休で無給が悲しい  父を偲ぶ会を父の仲間内でやるらしく、主催側の人間である母が行きたくない、としながらも行かなきゃ、みたいな煩悶もありつつ「サチも来て! お願い!」と、お願いされちゃ仕方ないので行くことになったら行きます。  広告業界に身を置いていた父なわけなのですけど、偲ぶ会とか終わったらそういう世界とも無縁になるんだなあと思うとずっと身近に広告業界があったので変な感じです。でも仕方ない。私も後を継げるわけでもないし。  しかし父が生きていた頃は「サチちゃんはお父さんの行くところにいつも一緒ね」と言われていたのが今度は母とずっと行動するようになっている。一番怖いのは最後だな、と思いつつ。  父の仕事場から荷物を引き払ってもらった際に仲間の方がもってきてくれた物のなかに父が愛用していた黒い腕時計が入っていたので眼鏡やワンカップ大関と一緒にお供えすることに。  姉が手を合わせるときに気がついてくれたようで「懐かしいねーこの腕時計」と言って話題が一花咲きました。黒い腕時計は父が若い頃にしていて私はそのとき子どもだったのだけども、よくだっこしてもらっていたので鮮明に憶えているなあと我ながら不思議です。子どもの頃って全体を見ないで一部を見ていたりするから局所的なことを憶えていたりしますよね。  そして今月は今月で忙しい。私の仕事の退職云々は一応区切りはついたかな、という感じです。上司の方の優しさに感動しつつ職場環境は良くなかったけど上司はみんな良い人たちばかりだったなーと。  周りの人に助けられて続けられた一年間でした。