aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

一人のファンが思ったことです


 映像作品が悪い、憎しという話ではないです。映像作品化されて認知度が高まるとやっぱり嬉しいです。



*あまり真に受けすぎないでください

 私はしがないファンのうちの一人というスタンスなのでマイナスなことは書かんどこ……と思っていたけど時流が少し変わったので自分の思いを書き留めておきますね。
 漫画作品の映像化。もちろん嬉しいです。ファンとして誇らしい。
 でも改変されると悲しいし嫌だなとはずっと思ってきました。実際漫画の通りに作られた映像作品は「丁寧な作り」と言われたり細かいところまで再現されていて素晴らしいと言われているのに何故改変されるのだろう……とは思っていました。
 一番身近なところで二年読み続けているハコヅメを例に出すととても上手く作られているな、とは思いました。原作の美味しいところをつまんでアレンジして、という感じで。
 でも原作ファンからすると勿体ない。原作を読んだとき部分的に「あれ……これ知らないけど知ってる」ってなってしまうみたいな、知らない話なのにオチは知ってるみたいな。
 変態が多い回も那須部長を用意してほしかったし、那須部長と伊賀崎警部補では人柄が違いすぎて違和感しかなかった。
 那須部長がいないので牧高さんのペア長誰だっけとなるし、牧高さん自身も存在感が薄くなる。年下同期のカナがいないこともある。けどカナは存在自体が生安の塊(良くも悪くも)という感じなのでテレビに出し難いのも仕方ないと思う。でも視聴者に訴えかけるものとして生安の塊だからこそ強さはあったんじゃないかなと思う。下ネタばかり言うのでいないのは仕方ない……繰り返しになってしまうけど。
 階級呼びがないのも違和感あったけどテレビつけて初めて観た人が「部長多すぎて意味が分からん」となってしまうことへのフォローだったのかなとも思うけど川合の藤さん呼びは違和感ありまくりだった……ハコ長も。
 と、不満はいくらでも出てきてしまうし、ドラマのテンポの良さも突き詰めると原作にもある良さだしな……となるけどもう何パーセントかでも原作に寄せて(カナは難しくても那須部長を配役する、階級呼びする、くらいは)ほしかったなと思います。
 ムロツヨシさんの演じる伊賀崎警部補は那須部長の側面さえなければ怪演っぽくて伊賀崎警部補の胸襟まで出来たのでは……と思いました。
 那須部長がいなかったのはコロナ禍で人数集めにくかったのかなとか思ったりもしましたけど。あと副署長はしれっとスーパー警視なので配役ミス加減は感じました。モブの警察官も反社っぽすぎてあまり笑えなかった。
 好きな作品ほど重箱の隅をつついてしまいがちなので原作の方の心の壊され方は尋常ではない痛みなのではと思う。
 対立構造を煽りたいわけではないです。原作をそのまま実写で観たいだけです。ファンの、少なくとも私の望みはそれだけです。もしくは原作以上の展開になって原作者が「こういう展開を思いついていたらこうしたのに!!」と言ったら脚本家冥利に尽きるのでは、と思う。
 私は自分の好きな作品を踏み台や練習台みたいに扱われるために漫画ファンをやっているわけではないですし、漫画家さんをフォローしていっているわけでもありません。
 ただその漫画家さんのその作品が好きなだけです。そこには上も下もないです。
 映像作品になると大なり小なりドラマアニメに関わらず原作ファンが「せっかくの映像化だから」と我慢することも多いです。
 なので原作通りに作ってくれる作品に出会えると「分かってくれているなぁ」と嬉しくなる。
 それだけです。
 それはそれとしてハコヅメの如月部長登場以降が放映されるよ、ってなったらああだこうだ言っていますけど私は観ると思います。ファンってそういうサガを持っている気がする。良きにしろ悪しきにつけ。