aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

年末へ向けて


 大掃除の只中です。
 良い塩梅に収納できたら写真を撮ります。本棚の写真を撮るのは10年ぶりくらいです。



*本棚の話よりそのあとの話のほうがたぶん面白い(面白い)

 最近になって父の作ったビデオテープの処分を決めた。作った、というのはテレビで放映されたものを録画したもの。なのだけどケースに和紙や本屋さんでもらえるブックカバー、百貨店のショッパーなどを切って貼っていたり、タイトルロゴをカラーペンなどで書いて更に縁取って、と非常に凝っていて作品と言って差し支えがないくらい。
 ワープロ登場後はワープロで打ち込んだだけの簡素なものも多くなっていてそういうものはけっこう処分したけれどまだたくさんあった。
 とても手の込んでいる作品的なものとネタ的に面白いものは一部取っておくことにして、膨大な量のビデオテープに関しては写真に撮ったのち処分することにした(ほかにも手つかずの状態になっている父的デジタル黄金期に作ったDVDの棚もある)。

 しかしてもう一つの問題の私の所有する本があちらこちらに散らばり、また寄る辺もなく溢れ出ていた。
 本棚は予算オーバーかつ置く場所の高さ的にもオーバー。そんでは、と予算4,000円ほどでホームセンターに行ったらカラーボックスが一つ1,600円で売っている。縦に二つ並べて置くと高さがオーバーだけど寝かせて二段にすると高さクリア、値段も問題ない。
 それを二つ買ってDIYの時間となった。
 母も手伝ってくれてああでもないこうでもないと言いながら二つのカラーボックスが出来上がった。寝かせて二段にして、高さも問題ない。奥行がけっこうあり、奥にも本が置けそうだった。実質二列の本が置けるうえに上下にも広く、上の段と下の段にセパレートもできそうだった。
 問題はなにでセパレートするかだった。
 父が作ってくれた本棚はL字型の金具をカギカッコのような形で左右にネジで留め、そこにベニヤ板を挿入して二段に区切ってくれていた。すべて間隔も均等だ。DIYも好きな人だった。
 母も私も父のようにできる自信がない。「段ボールでいいんじゃない?」と母が言い、私も最初は反抗していたけどそのうちに段ボールでも良い気がしてきて、購入時に本が入っていた段ボールがちょうど良いことに気がつき、それが三列x2で六つ必要になった。さすがにそんなにたくさん段ボールを常備していない。三つはあったのでそれに本を嵌めていたけれども段ボールの厚みが左右の横分あるためぴったり入らず、どうにも収まりが悪い。
 どうしたもんかなぁと思い、母のほうを観ると底面と縦を切り取ってカギカッコ状になった段ボールがあった。
 こんなんどうすんの、と試しに棚に当ててみるとなんだか思いの外よさそうで嵌めていた段ボールを外してそれを取り付けるとシンデレラフィットだった。高さもB6版のコミックの高さに合い、丁度良い。奥行がありすぎたので余った部分はカッターで切り、四つカギカッコ状の段ボールが出来上がった。
 そこに本を当て嵌めて行く。こういうパズルのような状態が楽しい。
 秋田書店の棚、大判サイズ、講談社の棚(言わずもがな一番多かった)、集英社や小学館の棚など作るのが大変に楽しかった。段ボールの素地が丸見えだと少し恥ずかしいので百均でなにか探すことにした。
 今まで出っ張っていておじゃま虫状態だった照明のアームの部分もきれいに収納できて嬉しかった。
 ビフォーアフターの写真でも撮れば良かったとも思ったけどビフォーがひどすぎたので撮らなくて正解だったかもしれない。



*人柄が表れている

 父のネタ的に面白いビデオテープの一例

・手書き編
 地下鉄のザジのタイトルが地下鉄のサジになっている。
 その下にZazieとアルファベットで書いてあり、その下にカトリーヌ・ドモンジョ(サジ)と書いてある三段落ち。二度見した。
 父は遠視だったため目は悪くなかった。たぶんサジだと思いこんでいてなぜZazieなのかは考えていない。

・ワープロ入力編
 羊たちの沈黙で主演のジョディ・フォスターがジョデイ・フォスターになっている。
 小さな「い」をどうやって打てばいいのか分からなかったんだね。ワープロはかな入力だった。かな入力だとシフト+「い」キーかな。
 そういう場合はアルファベットだとdhiで「でぃ」と打てるためので簡単かもしれない。



番外

 ほかにもバック・トゥ・ザ・フィーチャーと書いていた例もある。
 実際にはフューもフィーもあまり発音できていなくて、フイイチャーとかフユウチャーと言っていた。
 そういえば撮影で使うノングレアのガラスのこともナングレアと言っていて「ノングレアじゃないの?」と言ったら「ナングレアだ!! 俺はそう言って今まで通じてきたんだから!!」とキレ気味に言われて、こっそりタブレットで調べたらグーグルでノングレアに矯正されて検索結果が出てきたということもあった。



番外その2

 昔から写真をやっている人は今でもフィルムのことをフイルムと呼ぶけれど近年写ルンですブームが起こったりしてフィルムと呼ぶ人が増えて悲しいババアがここにいます。
 フイルムって呼ぶとちょっとツウぶれます。