aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

2022年02月に読んだ本



 読みたい本がわりかし読めていた月でした。


*2月に読んだ本

大上さん、だだ漏れです。(全7巻) 
/吉田丸悠

 コミックDAYSで1話ずつ読んでいましたが続きが気になり、一気読みしました。
 全巻読んだら特殊な能力を持った男の子と性に興味がある女の子による純粋なラブコメでした。 
 面白いし楽しませていただいたけれど大上さんががっつきすぎな気がしたし(結婚まで視野に入れているのに高校生のうちに致したいとは思わないのでは? とか)、なにが彼女をそこまで性に駆り立てるのだろうと途中から感情が置いてけぼりになってしまいました。 
 経過は楽しませていただいたのでそれがすべてでも良い気がします。


ホクサイと飯さえあれば(1巻から2巻) 
/鈴木小波   

 とうとう手を出してしまいました。 
「ホクサイと飯」という未来のブンちゃんの話が先にあるんですね。 
 1巻のミートボールパスタ美味しそうです。みんなと食べると美味しいのは真理だし、一人でひっそり食べるごはんの背徳的な美味しさもわかります。 
 2巻の未来の自分への誕生日プレゼントの梅酒が素敵でした。 
 梅酢ってそういう使用法もあるのか。うちではもっぱらすし酢として使っています。 
 クッキーやガパオライス、美味しそうで作りたくなります。うちの家族がジャスミンライスがあまり好きではないので絶望的だけど。 
 続きも読みたいです。


定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(1巻) 
/吉本浩二

 とうとう読みました。1巻だけだけど! 
 Pontaカードの賢い使い方などが載っていましたがうちのほうではPontaカードを使える場所が限られていて「試してみたいけども!!」となりました。 
 とあるご夫婦が節約合戦をして浮いた分で二人でごちそうを食べる(勝ったほうの好みの食べ物)というエピソードも士気の上がる話でした。 
 2巻3巻も読みます。というか1巻ももう少し読み込もうと思います。


ミステリと言う勿れ(10巻) 
/田村由美

 整くんと距離を取っていた青砥さんとの異色のタッグを組んだ誘拐事件の解決編でした。犯人の言うことが分かるような分からないような。でも私も「選ばれない子」の気持ちは分かってしまうかもしれない。 
 そう思うとなんとも悲しい気持ちになるけれどだからと言って「選ばれない=〇〇」は理由にならない……と思う。一線を越えるか越えないかは花粉症になる人とならない人の違いみたいに些細なものなのかな。 
 星座と鉱石(誕生石)の謎も大詰めになってきている様相ですね。愛珠さんの死の真相と羽喰玄斗との関連も明らかになりつつある……と思うけど少しずつ丁寧に描かれていますね。 
 続きが気になるけれど終わってほしくないなあという気持ちの板挟みです。


 ひとりでしにたい(3巻) 
/カレー沢薫 原案協力:ドネリー美咲

 親に熟年離婚の難があり、家計を回すため投資に手を出そうとするお父さん。 
悪手に悪手を重ねていっていて何度も目を伏せたくなります。4巻もこの調子だと怖くて買えなくなるかも。 
 うちは熟年離婚だのなんだのの前に父が亡うなってしまったしなあ。 
 母も私もエンディングノート的なサムシングは持っているし私は書き終えました。 誰が開くことになるのか、開かれることはあるのか分かりませんけど。 
 あまりに暗い気持ちになるので読みたくなくなってきました。けどそれが私にも待っているであろう未来や現実でもあるんですよね。つらい。


スキップとローファー(1巻から2巻) 
/高松美咲

 正直1話目を読んだときは「話が意地悪すぎて合わないかも」と思いました。 
 でもみつみちゃんがめっちゃ和ませてくれる。周りの人も、読者も。 
 1巻を読み終える頃には「私もみつみちゃんと友達になりたい!」とすら思っていました。 
 自然に相手を気遣えてでも自分のペースは崩さないみつみちゃん、大物になる予感。 
 ふみちゃんもナオちゃんも優しい。ナオちゃんが電車で傷つけられた(言ったほうは恐らく無意識)ときもみつみちゃんが気遣っていて優しさに救われる思いでした。 
 1巻をよく読んだらみつみちゃんの実家には「サトノスケ」のほかに「オミソ」と「オシオ」もいました。ということは「サトノスケ」はお砂糖から来ているのか? 
 アニメ化されるのかな? されたのかな? アニメも観てみたいです。


 おいおいピータン!!(1巻) 
/伊藤理佐

 おいピータン!!を最後まで読まずに読んでしまいました。渡辺さん結婚して旧姓:わたなべさんになってる! マユさんもまさかのご懐妊。 
 おいおいピータン!!1巻では「くすぐる」話が好きです。愛情でも友情でも同情でもない、応援とも違う、不思議な感情。 
 2巻、3巻も読みたいと思います。その前においピータン!!のほうもね。


 〜異伝・絵本草子〜 半妖の夜叉姫(1巻)
/椎名高志・原案:高橋留美子

 アニメのほうは全く未見ですが、ただ犬夜叉の公式続編であることとと高橋留美子先生が推しているという理由だけで購入しました。椎名高志先生の漫画が好きというのもあります。 
 殺生丸とりんの娘・「とわ」が主人公ですが現時点でも強いしこれからも強くなるのだろうけれど現代で育ったからか、少しぽわっとしているのが可愛いですね。殺生丸とりんの子供なんだなあという感じが伝わってきます。 
 もろはは「かごめが産んだ犬夜叉の娘だわ……」という感じがします。良くも悪くも大雑把で、これからの彼女も知りたいです。 
 とわの双子の妹・せつなは感情に呪いがかけられているということで表情に乏しく、あまり印象に残らなかったのだけどウィキペディアを読んだらまだとわを姉と信じていない(?)状態なんですね。殺生丸寄りの雰囲気もどっしりしっとりしていて良いです。 
 駆け抜けるように一気に読んでしまいました。もったいないので2巻はゆっくりじっくり読みたいです。というかもう2巻が待ちきれません!


しょうもないのうりょく(1巻)
/高野雀 

 S・F(すこし・ふしぎ)な世界で、みんな「しょうもな」異能力を持っている。主人公の星野さんは書類を崩さず積める能力(ほかにレア能力も?)、主任は誤字脱字がすぐに分かる能力、重さが分かる能力の人やものをすぐに出せる能力、カロリーがわかる能力の人などが一緒の職場で普通に働いています。能力を活かしたらもっと効率よく仕事できるんじゃない?? なんて思ってしまいがちだけど能力は生まれ持ったクセみたいな感じであるとちょっと便利なんだけど別になくても、みたいな職場。 
 私はポイントカードやクーポン券を探すのにおたおたしがちなので財前さんの「ものをすぐに出せる能力」が羨ましい。 
 高野雀先生の漫画ははじめましてだったのですがほかの漫画も読んでみようと思いました。 
 続きが気になります!


ドクター・ホワイト─千里眼のカルテ─ 
/樹林伸  

 ドラマがかなり面白くて(浜辺美波さんがきれいで仕草も可愛い)原作を読んでみましょう、と思って読んだら設定がかなり違っていて、主人公の狩岡将貴は原作では白夜に惹かれているんですね。麻里亜の矢印は将貴に向かっていて白夜の矢印も? みたいな感じがしました。 
 西島先生や夏樹先生のキャラ付けもドラマ版のほうが好感が持てる気がします。 
 藤島氏は好きになれるキャラクターではないのだけど古民家の内装をリノベーションして住みやすくするのは長くその家屋に住むために必要なんではないの? と思ったりもしました。やりすぎは良くないですけども。 
 物語は診断という名の推理ものですが糖尿病は素人でもすぐに分かるとして、白夜の推理を引き立てるためなのか医師たちの診断が「田舎の総合病院でももう少しきちんと診察するぞ」というくらい明後日の方向でした。 
 千里眼のカルテで感嘆を覚えたのはテントウムシのエピソードとミルウォーキー・プロトコルでした。浮気の話はドラマが初見というのもあって原作は患者の男性の印象が良くなかった……。 
 千里眼のカルテが思いっきり途中で終わっていたので「続きが気になるじゃん!!」と神の診断と心の臨床も慌てて購入しました。 
 小説とコミカライズとドラマは別物だと思って読んでいます。どれも違っていてどれもが好きです。 
 ちなみに千里眼のカルテと神の診断は普通のカバーにドラマ版のカバーがかかっているダブルカバー仕様で、心の臨床は帯のみドラマ仕様でした。


ドクター・ホワイト─神の診断─ 
/樹林伸

 一冊まるまる癌(と海江田朝絵)の話でした。
 癌治療について一般に広く知られていないことが多いのと父を癌で亡くし、両親ともに癌に密接な関わりのある家系なので千里眼のカルテとは打って変わって興味深く拝読しました。 
 こんな医療行為ができたら父は長生きできたのかな……と思うと少しばかり悲しく、作中の患者さんは「良かったねえ」という言葉しか出なかったです。 
 そして海江田氏とその娘である朝絵と白夜の関連性。 
 ドラマでは神の診断までを放送するようですが(原作に「千里眼のカルテ/神の診断」と表記がありました)まだ続きそうな海江田氏とのストーリー、どうなるのでしょう。


ドクター・ホワイト─心の臨床─ 
/樹林伸

 白夜が狩岡家にやって来て5年経ち、研修医となった白夜が高森総合病院に帰ってくる。 
 ストーリーとしては高森総合病院のその後、それから研修医となった白夜がいかに患者に寄り添えるか、にも焦点を当てつつミステリ的には海江田朝絵の病気、そしてオーバードーズによる死について、かな。 
 触れるか触れないかでいえば少し触れる程度のコロナのことは入れなくても良かったかな? とは思いましたが「今の世に白夜はいるんですよ」という説明として入れたのだったら分かりやすいかもしれないですね。 
 ミステリ的な描写が増えて読み応えがあり、一気に読み終えてしまいました。 
 ドクター・ホワイトシリーズはこれで終了なのでしょうか。まだまだ白夜の活躍と心の成長を読みたいです。 
 心の臨床もドラマで続編として作ってほしいです。


過ぎる十七の春(新装版)
/小野不由美

 実は新装版(古いほうもある)を買ってからずっと読んでいませんでしたけど、勢いづいて読んでしまおうと思ったらあまりの読みやすさに一晩かからず読めてしまいました。 
 初めて読んだときは十代で意味が分からない描写も多く(忘れていただけかも)、隆と美紀子の住む場所があんなに花が咲いている場所だと知らなかった。旧版の表紙の色の意味もやっと分かった気がしました。また、建築についての描写なども非常に丁寧でした。 
 今でさえ少しばかり難しい描写があったので十代の頃の自分では読み飛ばしていた箇所も多かったようで、軸となる部分は憶えていたけれど全く新鮮な物語として読めました。 
 血液型の部分が地頭の悪い私には微妙に難しく、何度も読み返したりして。 
 小野不由美先生の得意なじっとり系ミステリホラー、大変興味深く読めました。 
 じっとり系ですが後味は決して悪いだけのものでもない点もライトノベルならではですね。


Pの悲劇─高橋留美子傑作短篇集─
/高橋留美子

 高橋留美子留美子先生は短編もお上手だと伺い、かの手塚治虫先生も「作家を育てるためには短編をかかせましょう」と言っていたそうなので(うろ覚えだけど)今まで手を出したことのない高橋留美子先生の短編集の世界へ。

 面白かった、というかこんな短いページ数にこんなにストーリーを盛り込めるのか、と圧巻の表現力でした。 
 どれも面白くてどれか一つを取って「これが面白かった」と書きにくい。それを踏まえた上で強いて好みだったのは表題作のPの悲劇とポイの家、Lサイズの幸福でした。 
 でもどれも面白かったので「どれがいい、これは良くない」ということではないです。 
 ほかの短編集も読んでみることにします。

 2月に読んだ本は再読はなく(過ぎる十七の春は正確には再読でしたが記録にはないので新規として)、新規22冊でした。1月が再読含めて22冊、新規17冊だったのでそれからすると多いほうでしょうかね。

 今読んでいる本は小野不由美先生の営繕かるかや怪異譚です。文体が私にはやや難しくて読み解けるかどうか。それと同作者様の新装版の緑の我が家、漫画では伊藤理佐先生のおいピータン!!、憂国のモリアーティの続刊、漫画版のドクター・ホワイトなど。 
 今月は高橋留美子傑作短篇集、吉本浩二先生のこづかい万歳、真鍋昌平先生の九条の大罪辺りを読みたいと思っています。ザ・ファブルも読みたい。 
 コミックDAYSをダウンロードしてしまったがために最近の読書傾向が講談社さんに偏り始めています。 
 そのお話はまた次の機会に。 

 それではまたね。


追記:一部書籍を誤表記しておりました。
誤)ドクター・ホワイト─神々の診断─
正)ドクター・ホワイト─神の診断─

 訂正してお詫び申し上げます。

追記2:改行の問題で読み難かった箇所の修正と誤字脱字の修正をいたしました。