aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

2022年9月に読んだ本


 9月は漫画ばっかり読んでいました。

*9月に読んだ本



おいピータン!!(4巻から17巻)
/伊藤理佐

 一部再読です。4巻で好きな話は「不覚」です。おいピータン!!はマユの成長物語でもあるんですよね。そんなマユの不覚な出来事が膝を叩くほど分かる。好きです。
 もう一つ挙げても良いのなら「クリスマスケーキ」。価値観が違うって悲しいけど喜ばしい。互いに認めあっているからこその嬉しさもありますね。
 7巻の「母の風邪」も良いですね。お母さんが風邪をひいてウキウキ、いそいそ。なぜなら普段食べられないものが食べられるから。私は病人を心配しすぎてしまうのであまりそういう気持ちにならないのですが、そういうふうに楽しむ方法もあるんだな、と思いました。
「普段きちんとしたものを食べているからそういうもの(体に障るもの)が美味しいんですよー!」というお母さんの言葉の力はすごいです。
 ほかの話もどれも好きなのですがあえてこれ! というのは15巻の「半分」と「妄想」。
 どちらも大森さん・渡辺さんメインの話です。妄想がかなり好きで、渡辺さんの妄想に大森さんの妄想を合流させるのがとても素敵です。妄想だけど腹ごなしの方法も渋くていい。



おいおいピータン!!(1巻から4巻)
/伊藤理佐

 1巻では「意識して」「デパ地下の陽子」「キューピット」「フトシ君」が好きです。なかでもとりわけ好きなのは「意識して」と「デパ地下の陽子」ですね。デパ地下の陽子は孤独のグルメ的な飯テロリズムを感じる。
 キューピットは人間関係の不思議な結びつきを「こうだったらいいのに!」というふうに描かれていて好きです。
 2巻は巻頭カラーのフカフカボンボンがキラーワードすぎる。
 特に好きなエピソードは「ワレワレ」「大家さん」「サンタさん」「結果オーライ」「鳴き声」など大体まんべんなく好きです。「ワレワレ」の朝の切株はなんか素敵なネーミングセンスだなと思いましたよ。エピソード自体の元ネタは星新一ですよね。
 3巻でもフカフカボンボンが……。好きなエピソードは「思い出の皿」「「いける」日」「猫枕」「フカフカボンボン」「いんげん豆」「うちの富士山」「土曜日の朝」「しゃべるポット」かな。3巻もまんべんなく好きですけども。「いんげん豆」はなんか分かってしまう。そして笑って話せる人のほうが生きるのが上手いのだということも。
 4巻でダントツに好きなのは何度かこのブログでも書いていますが「素敵な悪口」です。これはもう大森さんの悪口の表現力に尽きる。カボチャ、マグロのトロ、キッシュ、どれも美味しいしどれも好きだけど大森さんのような素敵な悪口は言えないと思う。好きです。



さわらないで小手指くん(4巻)
/シンジョウタクヤ

 足を組むとぎっくり腰になりやすいのか……とまたしてもためになってしまいました。
 メンズエステはいわゆる回春マッサージのことかな。小手指くんは知らなくても生きていけるのでは……と思ったけど剛柔のマッサージ方法を会得してしまう。
 小手指くんを読んでいてすいすい読めるのは主人公の自己肯定感の高さな気がする。自分にはこれができるからその方面で最善を尽くそうとするし、知らないことを恐れない探究心も読んでいて小気味良く感じる点だと思う。
 あまりエロくないと言われているお色気漫画だけど私には程よいです。



うる星やつら・文庫版(4巻)
/高橋留美子

 ランちゃん登場。ランちゃんって昔劇場版アニメを観たときは単に怖いなと思っていてそのまま成長してしまったんですけど、彼女なりの苦労があってあの性格になったとは露ほども知りませんでした。苦労人すぎる。しかもラムちゃんの自覚していない部分に苦労させられている。5巻も早めに読みます。



チ。─地球の運動について─(2集から3集)
/魚豊

 宗教によって世界が、宇宙が美しいと思ってはいけないという世界は苦しいなと思う。
 そのなかで宇宙の美しさに気がついてしまった主人公たちが自分の心と葛藤するのがまた厳しい。ほかの漫画にもあったけれど生き物は美しいものに惹かれるように出来ているからその欲求に抗うのはとてもつらい。
 3集には初の女性が。そこでも差別がある。女性が差別されていることが当たり前の時代が、振り向いたらすぐそこにあったという恐怖が拷問のようにつらかった。
 没入感が半端なくて読んだあとに憂鬱になるのもこの漫画の特徴かも。



動物のお医者さん(1巻から3巻)
/佐々木倫子

 西根公輝がハムテルにしか読めない(ときどきキミテルになる)のは物語のひっぱりかたの巧さによる妙だと思う。
 一時期ネットミームになった「このカシオミニを賭ける」は漆原先生の言葉だったんですね。
 ミケが関西弁のおばさま風なのも素敵です。
 菱沼さんが今後どうなって行くのか楽しみで不安です。
 チョビはあまりに良い子すぎて本当にこんな犬がいるのか!? となってしまう。環境でしょうかねぇ。



境界のRINNE(1巻から3巻)
/高橋留美子

 久しぶりに再読しています。
 この辺はまだ主要キャラクターが出始めたばかりなのでエンジンが温まっていない感じがしますね。この時点でも面白いのですけども鳳、れんげ、架印が出てきてぐぐぐと面白くなったようにも感じているためまだ少し物足りないです。



高橋留美子傑作集 赤い花束
/高橋留美子

 おじさん奇譚。一番すんなり入ってきたな、と思ったのは日帰りの夢でした。
 義理のバカンスも安野モヨコ先生の随筆を読んだあとだったのでいかにもなリアリティーがありました。
 ヘルプは言うは易く行うは難し、ですね。介護をする奥さんの苦労たるや……と思いつつ秀彦氏(主人公)はお父さんに認めてもらいたかったんだろうな、という物悲しさ。
 パーマネント・ラブもおじさんのちょっとした浮気心とそれを意図せずスイスイ躱す若い女性、「その髪型やめてよね」という奥さんの構図が高橋留美子的黄金律でした。
 当時は冬のソナタかなにかで韓流がブームでしたね。
 全編とても良かったです。



高橋留美子劇場副読本 Oの悲劇、Oの喜劇
/高橋留美子

 これはさらっとななめ読みです。高橋留美子先生としてありのおじさん、なしのおじさんが分かったり、高橋留美子先生による解説で赤い花束までの傑作集に登場するおじさんが載っていて興味深くてありがたかったです。
 1986年から2005年くらいまでの世相も載っていて懐古厨としては面白い&懐かしく読ませてもらいました。



焼いてるふたり(6巻)
/ハナツカシオリ

 ピザは疲れに効きますね。読んでいておいしそうすぎる。パン生地が膨らむのがかわいいの分かる。
 芋煮の回は山形風かーと思いました。山形風美味しいですけど宮城風も美味しいんですよ! 豚汁ぽいけど! あと私も山形風の醤油ベースの芋煮好きですけども!



月刊少女野崎くん(14巻)
/椿いづみ

 ガンガンオンラインでも読んでいましたが、コミックスになるとまた格別の味わいがありますね。
 野崎くんの有識者(千代)のエピソード、遼介くんと都先生のエピソードが強く印象に残りました。堀先輩と鹿島くんも順調に進んでいてほくほくしながら読み終えました。
 千代ちゃんは主人公にあるまじき変態性があるよね……。そこが千代ちゃんっぽくていいよね。「愛用の品とは言えないのでは?」の視線がガチすぎて好きです。


 以上、読んだ冊数は再読、カウントのみも含めて34冊でした。
 ずっとなにもやっていなくてひたすら漫画ばかり読んでいたため読んだ冊数がいつもより多めです。
 料理漫画が好きな私ですが、今月はグルメ漫画も開拓してみる予定です。
 あまりグルメではないので楽しめるか不安ですが。
 絵日記などだとぬこー様ちゃん先生の漫画も読んでいるんですけどカウントしたほうがいいかな? 無料なのに読むと普通の漫画と同じだけ作者様に入るシステムは謎だけどすごい。あとぬこー様ちゃん先生の漫画はめちゃくちゃ面白いのでまだ読んだことのない人に「この漫画いいよ」って大声で言いたいです。

 それではまた来月お会いしましょう。