aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

瑣末なブログによせて


 いつも思っていることを雑に綴っておきます。



*だからこその口なしなのか

 父が死去したとき、思い出が美しくなってしまった。
 父って難しい人だったんですよ。困ったことも苦労したこともたくさんあった。
 それが死去したことで全てリセットされて美しい思い出にリメイクされてしまった。母は苦労されられていたほうなので覚えているとは思うけれど言及しない限りあまり言わない。言ってどうという問題でもない。だって父は生きていないのだから。
 でも私はそれがとても寂しく感じる。思い出が死んでいると思う。
 生きていた頃はああだこうだ文句を言っていたけれど死んでしまうと思い出が作り直されて美しいものになってしまう。
 私もいつか死ぬのだろう。でも正直美しい思い出にはリメイクされたくない。
 泥臭く「サチちゃんああだったこうだったここがダメだった」と言われていたい。
 死人に口なしとはよく言ったものだけど、思い出を作り替えられないためにも毎日のようにせっせと日記など書いている。さまざまなところにログを残しつつ。