aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

2022年7月に読んだ本


 減量に夢中になりすぎてあまり本を読めなかった。
 また、記事のアップが遅くなり申し訳ありませんでした。

*7月に読んだ本


七つ屋志のぶの宝石匣(1巻から8巻)
/二ノ宮知子

 宝石のなかに内包しているものも美しさのうち、というのはなんとなく知っていましたが、けっこう加工されている宝石って多いのだなーと読んでいて知りました。
 私はどちらかというとルースやタンブルが好きなほうなので、知らないけれど興味のある世界でした。続きも読みたい。
 宝石ってただきれいにカットされて輝いてみえるだけではだめなのね……ということも思い知りました。奥が深い。
 時勢的に完全に読むタイミングを間違えたナメクジの根付……。根付は好きだけども。
 指輪なども立爪だったりアンティーク風だったり単なる記号としての指輪のようには描いておらず、どのアクセサリーも主人公ばりに丁寧かつ美しく描かれているのも魅力的です。
 人間のほうだと、シンプルに志のぶと顕定はどうなってしまうんでしょうか。というかレッドベリルにはどんな意味が? とか赤い鳥のインクルージョンとか謎めいていて気になります。




焼いてるふたり(5巻)
/ハナツカシオリ

 週末婚から同居へ……すると段々と見えてくる相手のアラ。
 自分だってなにかやらかしているかもしれない、でもあれやこれが気になる、言いたい、けど相手も言いたいのかも、という健太さんの葛藤がめっちゃ分かる。千尋さんのややだらしないところ(アイスのフタ、段ボールハウス状態など)も分かる。私は布モノはそれほど気にならないけど洗い物がたまっているとストレスを感じるタイプなので自分の状況に当てはめると両方の感情が手に取るように分かる。
 自分や相手にとってどれが気になってどれが気にならないか、なんですよね。千尋さんも怒らずに健太さんの靴下のことを指摘したのもけっこう凄い。怒らず、変に低姿勢になりすぎずに言うのってなかなかできないことです。
 野原で食べるパスタも美味しそうでした。残った牛乳を別の用途に使うのではなく飲んで終わらせるのがワイルドです。



ある日、自分の脳から声が聞こえたら─非定型精神病を患ったマンガ家の27年(前編)
/松原千波

 松原千波先生であり、月瀬瞳先生でもある……。私にとってはるるる☆みらくる、まんが家杜石蕗の冒険辺りの松原千波先生のイメージが強い。
 もうURLはなくなってしまったけどブログを拝見したりしていて統合失調感情障害を患っていらっしゃったというのは知っていました。
 千波先生は妄想+幻聴のあわせ技なんですね。私は妄想が子供の頃から強くて物心がついた頃には周りの人間は全て敵であるとか被毒妄想、会話を全て盗聴されている、みんなが私の思考を知っている、みたいな妄想(と言ってよいのか)がずっとずーっとあって自分はなんかおかしいんだろうと思っていたけどみんな突っ込まないし私はおかしいのが日常だったので病院で病名がつくまでは変であることが日常茶飯事でした。
 その話は次の機会に譲るとして、読んでいて思ったのは千波先生は真面目でいらっしゃるのと(子供ながらに昔から思っていた)、不安などが如実に病気に出てしまった感じですね。
 後編は秋頃に配信予定だそうですが、どんなふうに過ごしていくことに決めたのか知りたいですし読みたいです。
 絵柄はかわいい風を装いつつショッキングなシーンが多くて読み返したいけど勇気が要ります。




ハッピー・マニア(4巻から11巻)
/安野モヨコ

 やっとモヨコ先生の漫画を全巻読破しました。シゲタカヨコの周りに集まってくる男が全員色男で悪い男すぎない!? あとタカハシもけっこう悪いところあるんじゃないか、みたいなところがとてもリアルでした。大阪の彼がとてもやばかった。読んでいて怖かった。
 GO!ハッピー・マニアも読んでいますがシゲタさんもさることながらフクちゃんも幸せと言えないかんじの状況。打開策はあるのか、ハッピーのマニア的に! と鼻息を荒くしつつ読んでいます。
 前に買った「日記書いてる場合じゃねえよ」も読み返していたんですけど、友達の漫画家さんがパクられた、というお話があってモヨコ先生もパクられた、構図も足のこけかたも効果も似てる。でも相手の漫画家さんの編集さんが「安野さんの漫画読んでいないそうです」で掛け合ってくれない……。
 こんな個性の塊みたいな漫画を真似する人もいるのか……とその時は読み流してしまったけど今風に言うとモヨコフォロワーみたいな、モヨコ先生の絵柄や今思うとギャグも似ている漫画家さんの漫画を読んでいたことがあった。というか唇は言わずもがな瞳の描き方も似ていたし、ギャグも近いものがあった。その漫画家さんも単なるフォロワーではなかったのかもしれない。

 安野モヨコ先生の漫画はもちろん面白かったし、ハッピー・マニアは若い頃の作品ということで勢いもありました。GO!ハッピー・マニアも読み続けて行きますが、着物とエッセイも引き続き応援しています。着物は体型的に似合わないので小物系で。
 エッセイはロンパースルームDXを購読しています。本にまとめてください。ジャンルごとの分冊でも買います。ともしび日記も還暦不行届もふしん道楽も後ハピのお話も面白くて好きです。




ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜(18巻から21巻)
/泰三子

 21巻を改めて読んでいて、私のなかでは麻依の左は源部長固定だったんですけど「あれ、この展開は如月部長もあり得るのでは?」となってしまいました。第一部の最終回を読むとどちらともくっつかない気もするんですけど。
 私の個人的見解として子供の頃に性的な被害を遭った人は自分を性的な目で見ない人を無意識的に選び取っているように思える、という考えがあります。
 そのくだりを書くと長くなる上あまり関係もないので割愛しますが、そんな理由から麻依は見て楽しむ、ある種のローカルアイドルを応援するノリで如月部長を見てきたと思っていたし、如月部長もそれを是としてきたように感じていたんですよね。
 源部長に関しては麻依が初めて似顔絵捜査官として活躍したシリーズから源部長が男性であること、そしてとても心強い存在であることをわりかし強めにアピールされてきたし、階級ロリコンの名称も出てきて更には実家も籠絡しているし、これは源部長固定ね! と読んできたけど壁ドンイケメンパラダイスのBlu-rayを麻依の部屋で如月部長と観る回ですっかり分からなくなってしまった。
 麻依の部屋では如月部長のモノローグかつ麻依が顔を隠した状態で進み、如月部長と同じように読み手にも見えないため麻依の表情が分からない。
 一つ言えることがあるとしたら麻依は如月部長には始終顔を見せませんでしたが(一部見えていたけど)、最後のコマで源部長には顔を見せているんですよね。ただ読み手には見えない。ここが印象的でした。でも意味についてまでは私の頭では読めない。
 強いて言えば憧れが強い人には恥ずかしくて自分の顔を見せられないけど家族みたいに思っている人にだったら顔でもなんでも見せられるとか? とは思いましたけど。
 そうなると思いを募らせた人、に該当しそうなのが如月部長っぽい気がして、でも源部長のフラグも完全に折ってはいない状況、考えがまるでまとまらずあっぱらぱーのぐーるぐるです。
 次巻は10月発売予定となっていましが、第一部の最終回まで一冊なのか分冊なのか分からないけど早く……早く第二部を……歴史もの(とは明言されてはいないけど)と同時連載で……お願いします……。想像力で補えきれないよ。

 以上、7月に読んだ冊数は22冊でした。
 漫画しか読んでいないように見えますが、実録ものを四冊と小説を一冊細々と読んでいます。読み切れていないだけで読んでいるんだよー。来月には読んだ本として感想を書けそうです。

 今月読みたいのは実録系の続きと本川達雄先生のゾウの時間ネズミの時間と日本の芸能史系が気になっています。
 漫画だとダンジョン飯の続き、憂国のモリアーティ、逃げ上手の若君、Thisコミュニケーションなどなどたくさん読んでいない&発売になる本があります。
 楽しみでワクワクしてしまいますね。

 それではまた来月お会いしましょう。