aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

2022年4月に読んだ本


 漫画ばかり読んでいました。


*4月に読んだ本


悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします(1巻)
/作画・松浦ぶんこ キャラクター原案・鈴ノ助 原作・天壱

 転生ものですが悪役令嬢ではなく女王。チートも完備。転生した記憶が蘇った瞬間から絶望している主人公のプライド。良い方向へ向かって行ってほしい。
 それはそれとして原作小説がめちゃくちゃ長いらしいと聞いたのですが漫画も追いついてくれると嬉しいです。……と思って原作小説を見に行ったら700話+αまで更新されていた……。
 原作も読もう。


吼えろペンRRR(1巻)
/島本和彦

 Twitterで藤田和日郎先生が「吼えペンルルル」と呼んでいらして島本先生も引用RTで「俺も吼えペンルルルって呼ぼう」と言っていらしたのでルルルが正しいスタイル……? リターンリベンジリ……リ……リなんとか、という解釈でした。まだまだ凡人です。
 アオイホノオも読んでいるけど吼えろペンRRRはまだ1巻だぞ、追いつける! と思ったけど実は続いていました。けど過去に島本先生の漫画を読んだことがあったら楽しく読めると思います。少なくとも私はそうでした。濃ゆい女性編集者のかたのエピソードが面白くて好きです。藤田先生とは盟友、戦友のような関係なんですね。最初読み方が分からなかった。
 アオイホノオの続きも読みます。


日記書いてる場合じゃねえよ
/安野モヨコ

 昔の安野モヨコ先生のテキストサイト時代の文章をまとめた本。今noteで連載されている「ともしび日記」の前身版。それでもまとめきれなかったエピソードはあるようです。
 様々な漫画家さんとのやり取りが載っていてテンションが上がります。まだお付き合いする前(?)の監督と会ったことなども載っていました(一行か二行くらい)。
 この本を読んでツンドラブルーアイスとバッファロー5人娘を衝動的に買いました。まだ読んでいません。というかハッピーマニアと後ハッピーマニアもあるんだ……。
 モヨコ先生のテイストはアシスタント先の桜沢エリカ先生や岡崎京子先生のようなお洒落な漫画だと思っていましたがインタビューなど拝見するにコメディ路線を自負していらしたんですね。
 実はほかにもモヨコ先生の漫画を寝かせているので可及的速やかに読みたい所存。
 でもモヨコ先生の漫画も十分お洒落だと思うんですけども。


スキップとローファー(3巻から6巻)
/高松美咲

 一人ひとりとのこんがらがった糸みたいな関係が解れていくのが気持ち良い。
 でもナオちゃんがみつみちゃんの誕生日に「自分はそんな青春送れなかったのに」って夜に友達(か恋人)と飲みに出かけて、でも翌日祝いたい気持ちと罪悪感が(恐らく)綯い交ぜになって朝ホットケーキを焼いてあげる。という話は自分がみつみちゃんの立場だったら少し悲しい気持ちになるかもしれないけど、自分がナオちゃんの立場だったらそういう行動になってしまうのが腹落ち半端なかったです。友達に囲まれて好きな人もいて夢があって、誰も彼もがそんな青春を送ることができるわけではないよね。
 7巻も読みたい。発売日ガ待タレル。



同居人の佐野くんはただの有能な担当編集です(1巻)
/ウダノゾミ

 ニア……ニアな感じ。例えが下手くそすぎて申し訳ないのですが田中くんはいつもけだるげが大人だったら的な、太田くんの庇護が加速したら、というテイストな気がします。
 田中くんはいつもけだるげ好きだったら面白く読めると思いますが、ニアな感じが苦手だったら様子を見たほうが良いかもしれません。
 私個人の感想としては佐野くんの作る料理が美味しそうなのだけど少し子供向けな料理な気がして「もう少し栄養と味に奥行きのあるものを食べさせてやってくれ!」と思いました。おまいうですが。そしてこういう漫画にそういう発言は野暮なんだよな。
 続きも楽しみにしています。



ザ・ファブル(第一部・全22巻)
/南勝久

 コミックDAYSで「自分があまり読まない本を探そう」と思って読んだら開花してしまった作品でした。
 佐藤明が殺し屋だからか、アキラの周りで人がよくしぬ。リアリティーがあるためか「しんでくれてよかった」と手放しで喜べない(元々あまりそういう感情にはならないけど)。
 それから南先生があまりに日本人を描くのが上手いのと、私が日本人(というか人)の顔を覚えるのが下手くそなため見分けがつかないことが多々あり、マツ、山岡、ボス辺りはセリフや細かな特徴を意識して読まないと誰が誰やらでした。
 洋子さんは格闘が強いシーンより酔ってベロベロにさせた男を見て楽しむシーンが好きでした。タコ社長(寅さんではない)のシーンは良かったけど社長は社長で洋子さんを見守っている、洋子さんはそんな社長を(見)守っている、でいいかなあと思いました。発展してもしなくても。
 容姿はさほど格好良くないはずのアキラが格好良すぎてキラキラしていました。アザミもユーカリも最終的に好きになりました。アザミはその場しのぎに困ったら泣けるのがずるいです。終わり方も良かったね!! でした。



ザ・ファブル The second contact(1巻)
/南勝久

 第二部です。世界は現実と同じコロナ禍。漫画や小説などであまり現実に寄せすぎなくても……とも思いますが、アキラ、頑張っているんだなーという謎の勇気はもらえました。
 そして「アッくん」「ミーたん」。ミーたんが「新婚さんはそう呼び合うんだよ」と吹き込んだのでは、と誰もが思う気がする微笑ましい場面。
 クロちゃんがアキラのことを好きすぎて分かるけど少し引く。けど分かる。
 ところで三人が始めたレンタル業だけどユーカリはなんという名前で登録しているのだろう。
 2巻以降も読みます。3巻は今月発売ですね!


ハコヅメ─交番女子の逆襲─(1巻から6巻と8巻、10巻から14巻)
/泰三子

 一年くらい前にとあるブログで新刊を待っている漫画として登場し、気になり続けたもののドラマは見なかったしアニメは放映されていたことも知りませんでした(アマプラで見ました)。
 きっかけはザ・ファブルと同じコミックDAYSで連載されていて上位に食い込んでいたので試し読みしたらとんでもなく面白かったことでした。
 藤部長を「かなり凄い」と確信するエピソードがまだ弱めなような……と6巻を読んだあたりまで思っていたけどもしかして美人すぎるからか、と気が付きました。
 警察ではないけどとある業界で女性でとても努力家かつ天才肌で決して不美人ではないけどある意味ではゴリラにしか見えない人を私は知っていました。なるほどそういうかんじなのかと納得。確かに川合巡査くらい仲が良くないとキツいかもしれない。
 源部長は人誑しの権化みたいな人間でした。ああいう刑事の人って実在するのだろうな。
 藤部長の凄さを実感したいため1巻から所持限界巻まで読み直そうと思います(今まさに読み直しています)。
 ハコヅメを読んで拳銃への考え方と運転免許というものへの考え方がかなり変わりました。
 7巻と9巻と15巻以降はこのゴールデンウィーク中に届く予定です。アンボックスは届いていますが17巻と同じタイミングで読みたくて温め中です。6月には21巻が発売されるのが楽しみです。とても面白いのでコミックス増刷してくださいー。アニメも二期やってほしいです(気軽に言う)。


営繕かるかや怪異譚
/小野不由美

 やっと読了しました。さらりとしたホラー小説、という感じです。煮詰めると残穢になりそう。残穢とゴースト・ハントのあいだ辺りというかゴースト・ハントが続いたらこういう方向にもなり得たのではないかとすら思いました。
 営繕かるかやという建物の修繕屋・尾端なる人物が家をあるべき姿に戻す(尾端は狂言回し的な役割が多く、ゲストキャラである依頼人が主人公として描かれている)ホラー小説の短編集ですが二巻も早く文庫にしてください。面白かったです。
 待っているあいだに読もうと東亰異聞と黒祠の島を注文し、今は文庫版のゴースト・ハントの死霊遊戯を読んでいます。十二国記はなかなか読めません。小野不由美先生といえば屍鬼が有名ですけども小野不由美先生の作品が好きなのにも関わらず読む機会をいつも逃している気がするのでそう遠くないうちに読みます。



 4月に読んだ本の冊数は47冊でした。主にザ・ファブルとハコヅメだけど。
 ザ・ファブルは読むと幸せになれる(私比)ので読んでください。日常にこんなにマル暴いるんだ……てなりますけど。そこはフィクションであってほしい。
 ミーたんには幸せに生きてほしいです。今月は主にその感情を支えに生きました。
 死亡フラグは立てないで……。
 ザ・ファブルとハコヅメが今は生き甲斐です。登場人物の立ち位置は全く逆なんだけど。
 ハコヅメは「業界あるある」が好きなかたは楽しめるかと思います。業界あるあるでいうと私は小売業界の末席を汚したくらいの経験しかないため多様な業界のあるあるネタが好きなのかもしれないです(他の読書記録も振り返ると)。
 あと恐らく女性の方が描いているせいか良い意味でロマン的になりすぎていないところも好きです。思いきり主観で申し訳ないのですが男性作家さんの作品だと「事実はこうだけどこうであってほしいから結末を変えよう」とロマンティックになるきらいがある気がして、ハコヅメの良くも悪くも露悪的なまでの女性目線というのは読んでいて小気味良いです。



 それでは来月またお会いしましょう。