aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

2021年8月に読んだ本

8月は漫画多めというかほぼ漫画でした。

*8月に読んだ本

少年のアビス(5巻) /峰浪りょう

悪役令嬢、セシリア・シルビィは男装することにした。(3巻) /作画:秋山シノ 原作:秋桜ヒロロ

この二作品は残念ながら脱落になってしまいました。もしかすると違う機会に読んでみる可能性もあるため、今回は感想を書くのを控えます。

adabana─徒花─(上中下) /NON 原案:手塚だい

下巻で全ての謎が紐解かれるのですがやはり女の子が可哀想な話は好きになれなかったです。救いがあるようでない感じがしてしまってね。 話としてきれいに、メリーバッドな方向に向かっていたけどバッドエンド感が拭い去れず、同作者様のハレ婚。のように最後の最後で「良かった!!」と前向きな気持ちになれる作品ではなかったのが残念でした。女の子には幸せになっていてほしいなあ。 救われそうで救われない話が好きなかたは好みの作品だと思います。タイミングや読み様によっては私も好みだと思いました。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…絶対絶命!破滅寸前編(3巻) /作画:nishi キャラクター原案:ひだかなみ 原作:山口悟

はめふら絶対絶命!破滅寸前編の最終巻でした。原作だとこれから盛り上がっていくところの途中でゴールした印象でした。文字通りの絶体絶命かつ破滅寸前からの破滅フラグを回収する物語です。 ありと言えばありですが「盛り上がってきたな、これからだな」と思っていたところで終わってしまったので些か梯子を外されたような気持ちになってしまいました。 ノーマルエンドっぽいあっさりした着地点で、もう少しその世界を揺蕩っていたかった。

逃げ上手の若君(1巻~2巻) /松井優征

コミックエッセイ「えむふじんがあらわれた」に登場する末っ子・えむみちゃんが松井先生のファンで知ったというのと、松井先生が「興味のない分野の作品を作る(そのほうが客観的にいじることができるから)」みたいなことを言っていらしたのを知って、もう一つ付け加えるなら私自身日本の歴史にあまり明るくないという興味の合致で読んでみることにしました。 ほぼ白紙状態だった頭のなかの鎌倉時代のページが埋まって行くのは楽しいです。 なによりすごいのが1巻より2巻のほうが面白いことです。1巻は心のどこかで「そう、そう、少年漫画の主人公ってこうだよね」みたいないやな目で見ていたところが無きにしもあらずでしたが、2巻を読んでいて、逃げることが変態的に好きな北条時行を大好きになっていく感覚は今まで漫画を読んできてあまりない感覚でした。 3巻もとても楽しみにしています。

ミステリと言う勿れ(1巻~9巻) /田村由美

1巻から7巻は再読で8・9巻は初読でした。1巻から読むと青砥さんと9巻に登場するエピソードをつなげるワードがいくつか出ていたんですね。1回2回読んだくらいでは気が付かなかった。そして10巻が出ないことには解決しそうにないところが単行本派には厳しいです。 子供の頃のセメントの話は何度読んでも頷きすぎて首がもげそうになります。子供に自分の考えを押し付けてはいけない。でも実際自分の前に子供がいると難しい。 私も整くんと同じ理由でドッジボールが好きではなかったです。当てられるのは仕方ないとしても当てるのは好きではない。要するにいかにトロくて逃げ足の遅い人間を探して当てるか、という残酷なゲーム。全然違うけど残酷性でいうと花いちもんめも好きではなかったです。子供の頃の遊びはトラウマ地獄です。 話がそれてしまいました。 ミステリと言う勿れは来年のドラマ化も待たれますね! 田村由美先生初のドラマ化、楽しみにしています。

スキップ・ビート!(6巻~8巻) /仲村佳樹

代理マネージャー編&PV編。ニヨニヨしながら読んでいますがまだ怨霊キョーコ多しですね。モー子さんだけはずっとブレない気がしています。信頼関係面ではキョーコが徐々に勝ち得ていっているものがあるな、と思いますが。 キョーコのすごいところは努力型の天才で根性が据わっているところですよね(仲村佳樹先生の主人公皆そうな気がしますが)。ダークムーン編って物凄く昔な気がするんですが作中では半年前とかなんですよね。時間の感覚がなくなる……。

小林賢太郎戯曲集(2) /小林賢太郎

「椿 鯨 雀」の三つのライブの戯曲集です。ほかのもそうだけどネタバレだけど完全なバレにはならないように配慮されています。countというネタが好きですが、文章で表現ができないため書けない旨が書かれていました。文章で表現しようとすると完全なネタバレになってしまうからでしょうか。 ほかの作品だとアドリブか、あとに加えられた要素などがあってライブDVDを見ても楽しめたりしています。でも三作品全て観ているDVDがこれしかないため今のところ(2)しか読めないです。(3)も途中まで読みましたが、最後のCLASSICを観ていないため読了できません。鶏が先か卵が先かみたいなことになっています。 そのうち観る&読みます。いちご赤いは自分のなかで落とし所を見つけられたので良しとします。

芋くさ令嬢ですが悪役令息を助けたら気に入られました(1巻) /作:桜あげは 挿絵:くろでこ

完全な小説だと思って読むとアラが目立ってきついです。主人公がワイバーンに赤ちゃん言葉で話しかけたりするところは共感性羞恥の極みでしたが、流し読みすることでなんとかダメージを避けられます。 アニエス(主人公)がナゼルバート(ヒーロー)に気に入られる点もわりとあっさりしていて「なぜ……?」となります。ですが、楽しくなってくるのが主に後半の領主生活での家庭菜園やメイド雇用だったりするので結婚前のモヤっとするあれやこれやは後半のストーリーを楽しむための食前酒だと思うのが良しです。 あとナゼルバートは汚名を着せられたけど悪役でもなんでもないとばっちり受けただけの良い人だったし、わりと看板に偽りあるかもしれないけど面白いし2巻も楽しみです。

18(エイティーン)(2巻) /ヨシノサツキ

みほちゃんの食欲がえぐい。とか思っていたら景一がメシマズっぽかった。お母さんがああなってお父さんがあれなので、料理を教えてくれる人がいないなかで料理しないといけない状況下に置かれたのだから当然といえば当然なのか。 お父さんがかなり自分勝手なため読んでいて高確率でイラッとします。景一とみほちゃんが自分の思いを伝えられてよかった。あれ、これってレオのお陰だったりするのかな? レオの魅力に嵌りつつある? レオはレオで影がある感じがするので3巻以降に期待を寄せています。

月刊少女野崎くん(13巻) /椿いづみ

堀先輩とみこりんのやりとりが本当に面白い巻でした。互いの素性がバレる展開は連載版と少し流れが違ったのかな、と思いましたが確かめる術ががなく。ボーナスコインで過去連載を読めばいいのか。 都先生の遼介くんへの名状し難い複雑な思いも良かったです。 描き下ろしがたくさんあったのが個人的に嬉しさ倍増でした。

憂国のモリアーティ(6巻~15巻) /作画:三好輝 構成:竹内良輔 原案:コナン・ドイル

アイリーン・アドラーの不穏な空気を経てボンドが仲間になり、暗躍する犯罪卿と対峙するシャーロック・ホームズ。あまりにも素敵な流れをなるべくネタバレしたくないので極力ボカした表現になってしまうけど「こんな思いでいたのかよ、それはつらい」からの「あーそうだよね!! ジャンスクだけどそれってジャンプ漫画ってことだもんね!!!」という涙すらにじむほどのアツい展開でした。いやー16巻が気になりすぎます。続きが知りたすぎて逆に助けてくれー。いっそのこと本誌派に転じようかと思ってしまうほどの筆力です。

ダンジョン飯(8巻~10巻) /九井諒子

料理要素が少なめになってきたけど、首刈りうさぎカレー&ビールは「はあーなるほどー」となりました。美味しそうですがうさぎがわりとパートナー的な意味で好きなので調理はできないかな。 ライオスの見果てぬ夢というか、見果てぬようで実現できそうな夢というのが幸せそうな未来で良かった。そのためにはわりと事なかれ主義で来たライオス自身が対抗しなければいけない現実がある、という点でも9月発売の11巻が気になります。予約済みです。

ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル /九井諒子

登場キャラクターの簡単なプロフィールとそれぞれに焦点を当てた短編漫画収録の豪華ファンブックです。 ライオス、マルシル、センシ、チルチャック、ファリン、イヅツミの詳細を知ることができるのは分かるとして迷宮周辺で暮らしている主要な人物の詳細までかいてあるのは圧巻です。

憂国のモリアーティ禁じられた遊び /小説:埼田要介 三好輝 竹内良輔 原案:コナン・ドイル

1巻の「"緋色"の研究」読み途中でしたが2巻のこちらを先に読んでしまいました。1より読みやすい気がしますね。 成り立ちを含めてボンドが好きなのでボンドが主人公の話も楽しめましたし、表題作の禁じられた遊びもほかの作品のどれも飽きることなくすべて楽しめました。1巻と3巻の「虹を視る少女」も楽しみです。

悪役令嬢転生おじさん(2巻) /上山道郎

グレイスと父・憲三郎の関係に気がついた娘の屯田林日菜子とその母(どちらも重度のおたく)の二人とグレイス=憲三郎の両方の視点から進みます。 日菜子たちが意思の疎通を試みるも憲三郎に伝えたいことが上手く伝わらないのがもどかしいです。 1巻から面白さやテンポの良さは変わらずに、新たに現実世界の人間である娘と妻の存在がどう影響するのか今後が楽しみです。2巻を読んでうひゃーと思ったのは「家族以外の人とウィズアウト家族の状態の顔で会話しているところを見られたら恥ずかしいなあ」というところです。恥ずかしい、でもグレイス=憲三郎は「そんなもんかねえ」って言ってしまいそう。人としての器が大きい。

凪のお暇(8巻) /コナリミサト

凪のお母さん、そういうことかー、と納得はしたけれど自分の子供に自分の夢を乗っけたら駄目な気がします。 ゴンさんの名前の文字も視覚化できてさあ用意はできたぞ、と言いたいところだけど根雪の根の深さよ……。 凪と凪のお母さんが仲良くなることができたらそれなりに強いタッグになりそうなのでその路線を見てみたいですけどね。 関係はあるようなないようななのですが凪のお暇3巻に登場するロール白菜の豚バラキムチチーズトマト煮込みバージョンと豚バラ塩コショウホワイトソース煮込みバージョンを作ってみました。おばさんにはちょっと重くて一日に一個ずつが限度でしたがキムチチーズが意外と酸味と辛味がマッチしていて美味しく、ホワイトソース煮込みはどでかい優しさと甘さで(牛乳と豆乳を半量ずつ入れてみました)どちらも美味しかったです。

と、いうことで8月に読んだ本は大体40冊ほどでした。量としては自分比で標準か少し多めですね。 読みたいなーとずっと思っているのは惣領冬実先生のESと仲村佳樹先生のスキップ・ビートの続き(再読)、小玉ユキ先生の青の花器の森の続きでしょうか。8月の新刊も読みたいです。購入に至っていない読みたい本もありますが、それはまたの機会に。 では今月もよろしくお願いいたします。