aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

02/09


 ちょっとだけ暗い話なので興味がないかたはスルーでお願いします。でもしばらくはこの面倒くさいメンタルが続くのだろうな。お世話をおかけします。  しばらくぶりでした。2月1週目からちょっとわんこの状態が安定しなくて私も不安定になり始め、今週の月曜になってわんこがごはんを食べられない、水は少しだけ飲む、という状態になり、「もう恐らく長くない」と直感的に思って一緒の部屋で寝てあやして、翌日2021年2月9日に家族全員に見送られながら17歳と4ヶ月で逝去いたしました。老衰でした。  大病も大怪我もせず、頑固者の私ですら根負けするほどの不屈の精神力と、生来のアイドル気質で様々なかたに愛されて、幸せな一生だったといいな、と思いたいです。  最初、「うちにはお葬式をするお金がないからクリーンセンターに頼もうと思う」と母に言われてショックでショックで毎日べそべそ泣いていて、仲良くさせていただいている方が亡くなったわんちゃんと一緒のお墓に入りたいと思っている、(勝手に書いてしまってすみません)という夢を持っていらっしゃるお話を伺って「いいな、すごくいいな」と思って私もそれが夢になり、でも実際はクリーンセンターかもしれない……と思い、別の友人に「一緒のお墓に入りたくて!」と熱弁を奮ったところ「お金を貸すからそれで火葬してもらいなー」と申し出てくれたのですが、さすがに友人にお金を借りて……というのは気が引ける……。そこで改めてペット霊園を探したら値段も良心的で良いところが見つかり、立ち会いの火葬はさすがに無理だったのですけども個別で火葬していただける、ということでそちらにお願いして、水曜日に三人で見送りました。木曜日は祝日ということもあり、火葬場が混み合っていてうちの子の火葬は金曜日でした。無事に返骨もしていただいて、今は自宅に戻っています。  遺体を迎えに来てくださった霊園のかたが動物好きなかたらしく(犬が好きで十頭以上飼っているのだそうです)わんこを撫でて、 「穏やかで優しそうなお顔ですねー。ミックスの子とのことですがシェルティーとかも入っているのかな」  と言ってくださって、私も母も、少し奥まったところにいた姉も「シェルティー」がどんな犬種なのか分からず困惑していたのですが、調べたらシェットランド・シープドッグの新しい言い方(?)みたいで人を喜ばせるのが好きとか物音に敏感とか確かに共通するものはありました。ミックスなのに見ただけで分かるなんてすごいなーと思ったりして。  でも亡くなった瞬間は例えようのない、ものすごくイマイチな顔(変な意味ではないのですが)でそれもまた亡くなってとてもショックな原因の一つでしたが一日経ったら憑き物が落ちたようにとても穏やかな顔になって何度も写真を撮りました。動物愛護の観点でアップできないのが残念なほど美しい顔でした。  わんこが亡くなって三日間ずっと泣き続けていて、お風呂には入っていましたがスキンケアもおろそかになって髪もボサボサで目は泣きはらして (3//_//3) という顔でいまして(目の周りが腫れていて赤い)、霊園のかたが連れて行ってくださってから「ちゃんとしなきゃ」と思い立って(遅い)、お風呂にも入ってスキンケアもしました。リンパマッサージを毎日していたのでそれまではリンパの通りも悪くはなかったのですがここ数日おろそかだっただけでゴリゴリに固まっていました。  水曜日に放送されていたもふもふモフモフも泣きながら見ていました。  父が亡くなったときは書類関係がとにかく忙しくて悲しむ暇がなかったというのもありましたが(それでも悲しんではいましたが)、わんこが逝去してからは心のクッションというか拠り所がない感じです。ぽっかり穴があいたような、最後の2年間は家族で介護して大変でしたが頑張って生きてくれていてやはり心強かったです。  わんこの備忘録的に残しておきたいエピソードで、まだ余裕で歩き回ることができていた頃に家のなかを歩いたりして遊んでいたんですが、私が晩ごはんかなにか作っていて、それが玉ねぎのみじん切りをしていて当然泣いているんですよ。でも悲しいとかではないですよね。その泣いていることに気がついて、ずっと側にいてくれて、でも顔は「?」という感じで「悲しそうじゃないけど泣いているからそばにいてあげよう」みたいな、そんな顔。  普段、触られるのがいやなときはプイってそっぽ向いちゃうんですが、心の底から落ち込んでいるときは黙って触らせてくれたりしてね。本当に優しい子でした。  守っているつもりが守られていたんですよね。亡くなった美しい顔こそわんこの本質が表れた顔だったのだなーとつくづく思い知らされました。  今はとにかく無事に帰ってきて良かった、というのと、それでも肉体がない、物質的に触れ合うことができないということがかなりストレスなのと、わんこが横になっていたスペースは今も物を置くことができないです。「ここはわんこがいるスペースだから」と思ってしまってね。  とりあえずはまた家族三本の矢で。本当の本当に三本の矢になってしまったぞ。どうしよう。見守っていてくれー。