aoi iro no tori

だんだん離れてゆくよ アルペジオのように トリルでさようなら 別れを惜しむように ──日常のおはなし──

優しい思い出だけじゃないけど


 でも痛いのも悲しいのも含めて全部大切。 *父がいなくて寂しい  父が亡くなり、四十九日が過ぎました。お寿司とビールと父には芋焼酎を供えて新たな門出に乾杯をしました。父が亡くなってからずっとグラスをならさない献杯をしてきたけど、四十九日は乾杯をしました。  姉が四十九日の日に夢を見たらしい。父の遺体が安置されていた和室(今はお骨がある)でずっと眠っていた父が起き上がる、というような夢。ずっと寝てたんかね? 父らしいね、と話しておりました。  四十九日までは御霊前ですが四十九日を過ぎてしまったので父は「御仏前」になってしまいました。これから七回の裁判の後、行き先が決まるとのこと。そして三十回忌を迎えると仏様になれるのだそうな。私たち生きているのだろうか。父のお陰で葬祭関連に少しだけ詳しくなってしまった。というよりなるようにしかならなかった。  私たちはまだ父がいないことに慣れていない。慣れたくないというのもある。少なくとも私はそう。  新幹線のチケットを取るとき、余りの面倒臭さに「お父さんがいたらやってくれたのにー」と半切れになってしまいながらもいつも面倒事って文句はたくさん言われたけど最終的にはやってくれたよなあと思い出一つに涙が滲む。  ただ、ただ悲しくて寂しい。